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I LOVE エコロジー 第4回
企業のサマータイムはエコにならない
企業のサマータイムはエコにならない
(掲載日時 2011年06月17日 17時00分)
原発問題による夏の電力不安を前に、
日本企業がサマータイム制を導入し始めた。

サマータイムといえば欧米諸国ではもう長い歴史があり省エネに役立つというが、いったいどのようにして始まったのか、実際どのくらい省エネになっているのか、また日本企業のサマータイム導入に意味はあるのか、ニューヨークを中心にアメリカの事例から考察したい。
まず、アメリカでサマータイムは「Daylight Saving Time=DST」と呼ばれる。直訳すると「日光を節約する時間制度」ということだが、これだとちょっと「?」だ。「日照時間を有効活用する時間制度」と言った方が分かりやすいだろう。連邦法のひとつであるエネルギー法に則っているから、基本的にはアメリカ全州に適用される。
DSTのアイデアは、18世紀(1700年代)にベンジャミン・フランクリンがろうそくを節約する方法として提案したと言われる。しかし、この時は実施されることは無く、1916年に第1次世界大戦下のドイツとイギリスで、資源節約の目的で相次いで実施されたのが始まりだ。アメリカでは1918年に初めて実施されたが、この時は非常に不評ですぐに中断、その後第2次世界大戦時に復活した経緯がある。
さて、現在のアメリカではハワイ州を除く全米49州でDSTが施行されているが、実はアリゾナ州ではほとんど実施されていない。またプエルトリコやUSバージンアイランドなどのカリブ海の島でもやっていない。なぜなら、DSTは夏と冬の日照時間が大きく違う高緯度の地域でやってこそ効果が出るためだ。

現在のDSTの実施方法は、毎年3月第1日曜日の午前2時に時計の針を一斉に1時間進め、11月第1日曜日の午前2時に1時間戻す、というやり方だ。日本人の感覚だと、サマータイム(DST)は「夏」の数カ月間だけの特殊制度のように思えるが、実は1年の半分以上は夏時間で運用されているのだ。一方、生まれた時からずっとこれを続けているアメリカ人にとってはカレンダーをめくるようなもので、「Spring Forward, Fall Back.(春は進めて秋は戻す)」と慣用句のように覚えてしまっている。とはいえ、あるタイミングを境に自分の周りの世界が1時間ズレて動くのだから、うっかりしていると色んなトラブルが起こる。(※「サマータイムにご注意を!」参照)

さて、DSTに入るとどういう感覚なのだろうか。冬時間の朝10時は夏時間(DST)では朝9時である。DSTに切り替わる日は1時間早く起きなければ、世の中についていけないということである。また、仕事も1時間早く終わるということでもある。ニューヨークは緯度が高いから、夏の間は特に日照時間が長くDSTは有効に働く。DSTの状態でも、6月半ばであれば夜明けは朝5時過ぎで、日没は8時半くらい。冬時間のままだと、かなり日が高くなってから仕事に出ることになり、午前中の日照時間がもったいないのだ。さらに、午後5時に仕事を終えればまだ3時間以上明るい。(ニューヨークでは、午後5時に終業する企業が多く残業もあまりしない。)日中にしっかり活動して、寝るのも1時間早くなるからその分照明をつけなくて良い。つまり電気代が節約できるというわけだ。
アメリカ内務省のウェブサイトによれば、1970年代の研究では、DSTを実行することでエネルギーの使用量が1%減ったという。たったの1%?と思うかもしれないが、全米の電気使用量に換算すると大変なものだ。また、DSTは2007年からさらに1カ月程度延長になったのだが、これにより電気使用量が全米で平均0.5%減ったという。ただし、節電にならない場合もある、という意見にも注目したい。というのも、DSTを始めた頃には想定していなかった「エアコン」の存在である。「明るければ暑い。その分エアコンを使う。」ということで、夏が暑いエリアになればなるほど省エネ効果が薄れてしまう。場合によっては、かえって電気使用量が増えるという報告もある。照明を点けずに節電した電力量よりも、日中の活動時間が増えた分のエアコンの電力量が上回るのだ。

しかし、DSTの大きな目的は「日照時間の有効活用」であり、単なる「省エネ」だけでは語れない。アメリカ人の国民性やライフスタイル、経済活動とも関連するのだ。同じくアメリカ内務省のウェブサイトにはこう書かれている。

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