スーパーボウルが今年も大盛況な理由
(掲載日時 2011年02月06日 01時46分)
環境・エコ
2月最初の日曜日、アメリカ人はたいてい家でテレビを見る。そう、アメリカ最大のスポーツイベント「スーパーボウル(Super Bowl)」が開催されるのだ。
スーパーボウルは、「アメリカンフットボール(アメフト)」のプロリーグ「NFL(ナショナルフットボールリーグ)」の年間王者を決める試合だ。NFLは、全米の32チームが2リーグ(カンファレンス)に分かれ、毎年9月からシーズン16試合を戦う。その後、両カンファレンスでプレイオフを行い、それぞれの王者同士が戦う優勝決定戦が「スーパーボウル」だ。今年は2月6日(日本時間:2月7日)に、ピッツバーグ・スティーラーズとグリーンベイ・パッカーズが激突する。
さて、日本ではあまり知られていないが、アメリカで一番人気のスポーツは野球でもバスケでもサッカーでもなく、ダントツでアメフトなのだ。スポーツごとの相対人気データでは、アメフトが35-40で野球が10-15、バスケットボールが10前後だという。アメフト(アメリカでは単に「フットボール」と呼ぶ)は、真の“ナショナルパスタイム(Pastime=娯楽)”なのだ。だから、スーパーボウルのテレビ中継が毎年アメリカの視聴率のトップであることも頷ける。特に去年は平均視聴者数で1億650万人で、史上最高の視聴者数を記録した。つまり、スーパーボウルはスポーツの試合というより、一つの国家的イベントである。
また、スーパーボウルがユニークなのは、野球やバスケではもっぱら自分の地元チームを応援するのに対し、スーパーボウルではとにかくどちらかのチームを選んで応援する。ひいきのチームが出られなくても、盛り上がりにはしっかり乗っかるのだ。
試合会場もどちらかのホームスタジアムではなく、スーパーボウル用に毎年選ばれるスタジアムで開催される。寒い時期なので、たいてい暖かい場所だ。今年はテキサスのカウボーイズ・スタジアムである。
とにかく普段はフットボールなんて見てもいないアメリカ人も、スポーツ嫌いでもとりあえず見てしまうのがスーパーボウルだ。理由はいくつかある。
まず、スーパーボウルは「家で見るもの」であり「みんなで見るもの」であること。野球のワールドシリーズなどでは、街中のスポーツバーで盛り上がるファンの様子がよく報道されるが、スーパーボウルはスポーツバーというイメージではない。誰かの家に集まって「スーパーボウル・パーティー」をしながら見るのが定番なのだ。ホストの家は、フライドチキンやピザなど簡単なフードを用意する。ビールなどの飲み物は、BOB(=bring own booze)、つまり各自が持参する。集まる人も、妻やガールフレンド同伴。飲み食いしながらゲームを見るわけだが、4人に1人くらいはフットボールのルールが分からない。そういう人に対しては「教育」が行なわれたりする。
そもそも、全くゲームを見ていない人もいる。そういう人でもテレビは点けている。プリゲームとハーフタイムに行なわれる「スーパースターのパフォーマンス」を見たいからだ。スーパーボウルのハーフタイムショーには、毎年豪華ゲストがやってくる。マイケル・ジャクソン、ローリングストーンズ、エアロスミス、プリンス…ジャネット・ジャクソンの衣装事件が起ったのもこのステージだ。今年は、ゲーム前の国歌を歌うのはクリスティーナ・アギレラ(Christina Aguilera)。ハーフタイムは、ブラック・アイド・ピーズ(The Black Eyed Peas)だ。
また、「テレビCM」を楽しみにしている人もいる。スーパーボウルのタイミングで、全米のトップ企業が予算とアイデアをつぎ込んだ「話題のコマーシャル」がデビューするのだ。当然そのコマーシャル枠も世界一高い。CMとはいえ、最高にお金と手間をかけたコンテンツを見ることができる。
どちらが勝ってもとにかく盛り上がる、スポーツ、エンタメ、コマーシャル、パーティ。アメリカという国を象徴するのがスーパーボウルだ。
しかし、アメフト自体に魅力が無ければこうはならない。ある分析によれば、フットボールは年間ゲーム数が少ないことが人気を得るポイントであるという。サッカーもそうだが、半年程度、週末だけ試合が行われる。そのため、仕事の心配もなく、自分の好きなチームの試合を心おきなく見ることができる。だからチームの状況をしっかり把握しやすく、その結果ギャンブルもしやすい。さらにアメフトには、オフェンスとディフェンスが激突する「格闘技」的な刺激や迫力があることなどがあげられている。そこにはよもや「八百長」など存在しない。日本の国技「相撲」が廃れいくのに比べ、アメフト人気はさらに勢いを増している。