こんにちは ゲスト さま カート: 0円
日本では10月1日からタバコ税の増税により、タバコの価格が大幅に高くなったが、ニューヨークのスモーカーはそれでも思わず「うらやましい!」と叫ぶだろう。 なにしろ、ニューヨークのタバコ1箱の値段は、現在11ドル(900円)以上。店によっては14.50ドル(1250円)もする。日本では増税後の主要銘柄が1箱410円だから、実に日本の2倍以上、場合によっては3倍を超える価格なのだ。
さて、日本は同じ銘柄であれば全国どこで買っても同じ価格であるが、アメリカは買う土地によって大きく値段が違う。まず、アメリカは州や郡・市によってタバコの税額が大きく違う。さらに、日本のガソリンの価格制度と似ていて、小売価格は一応自由競争だ。特にニューヨークはアメリカで最もタバコ税の税額が高い。ニューヨークは世界的にも飛び抜けてタバコが高いように思えるが、実はもっと高いところもある。ノルウェーやイギリス、アイルランドなどは、日本円換算で1箱軽く1000円を超えるのが当たり前だ。他のヨーロッパ諸国でも、1箱あたりの販売価格は500〜800円程度と日本よりかなり高め。さらに、タバコの税率は70%台が普通で80%台の国もある。アジア圏はタバコが安い傾向にあるが、いわゆる先進国は日本の比ではないほどタバコの価格も税率も高いのだ。こうして見るとタバコの価格が高いことは、先進国の証のように思えなくもない。
日本では、タバコの価格は専売制度の名残で全国どこでも同じ銘柄なら同じ金額だ。しかし、ニューヨークでは、タバコの小売価格はいわゆる自由競争(小売店が販売額を決められる)だ。日本のガソリン価格と同じように、エリアや店舗によって価格が変動する。ガソリンスタンドの価格表示と同じように、タバコの販売店の店頭には「Marlboro $12.50」といった看板が出ているのだ。
一番高いのは街の中心部の売店だ。マンハッタンのターミナル駅にあるキオスクなどは、マルボロが14.50ドルくらい。ところが、郊外のコンビニや同じマンハッタンでも大手ドラッグストア・チェーンなどでは13ドル以下だったりする。
こういったドラッグストアでは、レジの後ろ左手にタバコ、そのすぐ右手には禁煙ガムや禁煙パッチが陳列されていて、とても不条理だ。健康を気にする人が立ち寄るはずの薬屋さんだから、禁煙補助の商品を販売しているのは理解できるが、健康を害するタバコも販売しているのは、結局「商売優先」ということだろうか。
とにかくニューヨークはタバコが高いから、喫煙者は他の州に行った時に買い貯めしたり、ネットで州外から購入したりしている。ちなみにアメリカでタバコ税が最も安いミズーリ州は、1箱あたりの州税はたったの17セント(15円程度)。これに4−7セント程度の郡税などが加算されるが、1箱あたりの販売価格は4ドル−6ドル(340円−510円)だから、ニューヨークのスモーカーから見ると激安である。
日本は20歳以上で喫煙が許可されるが、アメリカでは18歳以上だ。飲酒については21歳にならないと許可されないが、タバコは日本よりも早く吸える。ただ、日本のように自動販売機で何でも売っている国ではなく、ほとんどのものが対面販売だから酒もタバコも身分証(ID)を出さなければ売ってくれない。さらに、例えば25歳の人が正真正銘の自分のIDを見せても、見た目が若いとかなり訝しがられる。場合によっては売ってくれない。特にアジア人の場合は、かなり若く見られるから要注意だ。
日本でもタスポ(taspo)が登場し、さらにコンビニなどでも年齢確認が強くなされるようになってきているが、そもそも2008年のタスポの導入以前なら、街角の自動販売機で小学生でもタバコが買えてしまっていた訳で、アメリカと比べるとまだまだ甘い。アメリカでは、未成年者が飲酒や喫煙で補導されると、それらを販売した店も厳しく罰せられる。だから、店側も疑わしきは販売せず、という態度を貫くのである。ところで、日本はタバコの自動販売機がいたる所に置かれている。それも、タスポ認証機能つきで、10月1日の午前0時きっかりに、新価格に自動的に変わるという最新鋭のものだ。しかし、実は近代型のタバコの自動販売機は1926年にアメリカ人のWilliam Roweという人物が発明したという。1970年代まではニューヨークでも見かけたようだ。しかし、現在はジュースの自動販売機さえもほとんど見かけない。今でもバーやカジノにはタバコの自動販売機は置いても良いことになっているのだが、まず見かけることは無い。
ところで、ニューヨークがこれほどタバコの価格を高くした理由は日本と同じである。最大の理由は州の財政難であり、もうひとつの理由は禁煙推進だ。